ご相談を受けたのは千葉県にある個人事業主の方で、子どもから高齢者まで、病気のあらゆる相談ができる、医療用ジムを併設した外科内科クリニック様です。 従業員規模は30名程度。
人事担当者は経理を兼ねた1人しかおらず退職予定とのこと。さらに、医療業のため現場は新型コロナウイルス感染者の対応に追われており、人事部分がおろそかになっていました。
現在勤務社労士はいるが高齢のために退職を申し出られている状況で、給与計算や雇用保険、社会保険等の手続きに対応できる人材が不在になってしまうという危機感をお持ちでした。
今後、同ビル内で美容室をオープンする予定もあり、相談できる社労士を探していらっしゃいました。
現状を確認するために、退職予定の勤務社労士から人事業務フローを確認。給与計算や勤怠管理の方法を細かく確認したところ、きちんと計算が出来ていないものがあったり、属人的なやり方になっていたりして、生産性が低い状態となっていました。
ヒアリングを重ね、業務委託契約を締結。事業所訪問を重ねて、実際に現状の業務の引継ぎを開始しました。提案・改善内容は以下の通りです。
入社時の誓約書や身元証明書、マイナンバーの同意書等、入社する方の書類は未作成の状態でした。
書類作成を「kintone」で自動化しているため、労働条件通知書の作成と合わせ顧客情報を元に対応。
働き方や勤務時間、給与等の処遇を事前に決めてもらうこと、入社にあたり履歴書やアドレスを入社予定者からもらうことを提案しました。
本多社労士事務所でも実際に利用し、効果を実感しているのがクラウドの活用です。
・従業員情報の保管
クラウド型ソフトウェア「freee人事労務」を提供し、従業員情報の保管・管理をどこでも操作できるように設定。今までは担当者しか従業員情報の確認ができず、また別ソフトで給与計算を行うという生産性の低い状態でしたが、クラウド構築により改善されました。
・給与計算方法の設定
こちらのお客様では、従業員は全員時給制で月給社員はいません。
既存の給与計算システムやタイムカードは生産性が低いため、Suicaをかざすだけで打刻できる打刻機およびクラウド勤怠管理システム「ジョブカン」を導入することに。
フロー表を作成して従業員全員のSuicaを登録し、Suicaで打刻~給与計算までを自動化する設定を行いました。
また手当が割増賃金の計算に含まれていない、週40時間超の場合の割増賃金が未払いであるなどの問題点を確認。割増賃金の算出等、コンプライアンスに抵触する部分の改善を指導し、正しい計算に見直しました。
従来は担当者が銀行に出向いて振込していましたが、対応できる人員がいなくなるため、金融機関の給与総合振込の利用をご提案。給与支払専門口座を開設してもらい、従業員全員の給与振り込みを本多社労士事務所で行えるように連携しました。
スポーツジムのインストラクター報酬の計算は紙で提出・集計していたため、手間と時間のロスになっていました。インストラクター一人ひとりの毎月のレッスン内容を収集し、社内の「kintone」にて情報を受け取れるようにグーグルフォームの活用を提案。これにより毎月の計算ができる仕組みを構築しました。
ただしスマホに不慣れな人もおり、全員がフォームで申請した情報を確認できるようにすることが今後の課題となっています。
今回本多社労士事務所が関わることで改善できたのは次の5点です。
クラウドの活用を提案することで、移行作業や安定稼働をサポートすることができました。
大掛かりな対応となりましたが、助成金の活用によりコストダウンにも成功しています。